昔から、大麻や覚醒剤などの麻薬、拳銃などで逮捕されるというニュースが流れる時に気になっていたことがあります。
それは「末端価格」という言葉です。
価格とついているくらいなので、取引するときの価格だなというのはわかるのですが、「末端」ってつくのはなぜなのか?
今回は、この「末端価格」というワードについて掘り下げてみました。
ニュースでよく聞く「末端価格」とはどんな意味なのか
では早速、末端価格とはどういうものなのか調べてみました。
昔から使われている言葉ですので、辞書にも載っています。
実際に引いてみると次のように説明されています。
【末端価格(まったんかかく)】
生産者価格・卸売価格に対して、商品の流通経路における末端の価格。小売価格。
<weblio辞書の該当ページより引用>
簡単にいうと、消費者がスーパーやコンビニで商品を買うときに支払う時の価格のことです。
書いてある通り、どちらかというと小売価格という言葉が使われることが多いです。
(希望小売価格なんて使い方をされています。)
意味的には末端価格も小売価格も全く同じで、どちらを使っても問題ありません。
実際に「末端価格」が良くない取引に使われている背景
本来の意味としては、末端価格も小売価格も同じです。
しかし、一般的な経済ニュースでは、ほぼ小売価格が使われます。
一方、末端価格はどうしても不正な取引のときに用いられることが多いです。
確かにスーパーやコンビニなどで末端価格なんて聞くことがありません。
逆に使われると怪しいイメージしか思いつきません。
なぜ「末端価格」はダークなイメージがついてしまったのでしょう。
実際のところ末端価格と小売価格を使い分けるようになった背景は不明ですが、テレビや雑誌などのメディアではハッキリと分けております。
すでに国民の間にも末端価格は不正取引だったり闇取引のときに使われるものと浸透しているため、通常の取引で使われることはないでしょう。
余談ですが「覚醒剤10kgを密輸で逮捕、末端価格にして3億円」などという具合に報道されることが多いですが、価格はどのように算出されているのでしょう?
薬物や拳銃など違法商品の場合、定価などあるわけがなく、販売ルートも表に出ないので、かなり高い価格で取引されることがほとんどです。
そのため警察などが、実際に逮捕した際に容疑者がいくらで買ったか調べて公表してるのです。
(調査時には販売ルートなどを解明していますが、なかなか大変なようです。)
麻薬や覚醒剤の場合、仕入れ値と末端価格の差が極端にかけ離れているそうですが、これは表立って売買できるものではないため、実際にやりとりする際も危険度が高いからです。
それゆえ数グラムで何万円もするのも、リスクが高い取引をしているからという背景があるからです。
また、ニュースでは末端価格を高めに公表されておりますが、高いと流通しづらくなるという効果もあり、売人や組織、買おうとしている人間などに対する牽制にもなっているそうです。
ちなみに末端価格を英語では「street price」と呼ぶそうだが、まさに路上で取引するという意味そのままですね。
最近は日本でも薬物関係の話題が多い気がするのは私だけでしょうか?