札幌には個性的なカフェ、コーヒー店が多く、コーヒー好きにとって楽しめる街です。
その中でも最近注目を集めているのが「MORIHICO.(森彦)」です。
私もその名前は知っており、いつかは行ってみたいと思っており、先日やっと「MORIHICO. 藝術劇場」行くことができました。
札幌に「MORIHICO.」を作ったのがCEOの市川草介さん。
その市川さんが本を出したということを知り、どんなことを語っているのか興味が湧いてきました。
早速本を入手したのですが、バタバタして手付かずで、この間ようやく読むことができました。
今回は実際に読んだ感想・レビュー(書評)をまとめました。
市川草介さんの「カフェがなくなったら…」を興味本位で読みました
「MORIHICO.」のCEO市川草介さんの「カフェがなくなったら…」。
今回は著者とタイトル、表紙のみを見て購入したので内容は実際に読んでみないとわかりません。
最初想像していたのは、「MORIHICO.」作ったきっかけや、どのように作り上げたのか。
そして、コーヒーに対しての愛やこだわりを訥々と語っているのだろうな。
その予想は半分当たっており、半分外れていました。
想像以上に深く、面白い内容でした。
気づいたら一気に読破していました。
本書は次のような構成になっております。
- 第1章 「森彦」から「MORIHICO.」へ
- 第2章 コーヒー屋が大好き
- 第3章 コーヒーのある風景
- 第4章 コーヒービジネスという魔物
- 第5章 コーヒービジネスが教えてくれたもの
- エピローグ コーヒー大学という構想
1章では市川さんの生い立ちから森彦を開店し現在に至るまでの経緯が綴られております。
これを読むと、なぜ「MORIHICO.」がこんなに落ち着いた空間なのか納得。
特に森彦は最初は茶室から始まったエピソードは面白かったです。
2章は見開きに写真1枚、それに合わせて文が綴られてます。
文章のようであり詩のようでもある、その語り口は奥深いです。
3章はコーヒー、そして「MORIHICO.」の店舗づくりについてのこだわりが綴れれております。
常識にとらわれない店づくりや新店舗を立ち上げるまでの進めかたなど、思わずハッとさせられます。
あと、最近のコーヒー業界についても苦言も。
特にスタバに対してはなかなか辛辣な意見が(笑)
(それも十分納得できるものですが)
4章は一言で言うと「MORIHICO.」のブランディングについて語られています。
「MORIHICO.」は他のコーヒーと何が違うのか、ここを読めばわかるでしょう。
5章はいわゆるCEOとしてのビジネス論のようなものです。
「MORIHICO.」をどのようにしているのかがベースになっておりますが、これから起業したり、何か自分で作っていきたいと言う若者に向けてのメッセージ的な要素も含まれております。
もちろん若者だけでなく、これからチャレンジした中高年にも刺さる内容です。
市川さんがもともとデザイナーと言うこともあり、考え方や文章の言い回しが哲学的で難しそうな感じもあります(特に第2章)。
でも、実際はそんなこともなく、すんなりと頭の中に入ってくるから、これまた不思議です。
この本を読めば、なぜ「MORIHICO.」がこんなにも落ち着いたカフェで、お客に愛されているのかがよくわかります。
久々にスッキリと読み終えることができた1冊でした。
「カフェがなくなったら…」は誰が読んでも何かを感じるはず
ここまで市川草介さんの「カフェがなくなったら…」のレビューをまとめました。
どこどこの何が刺さったとか書きたいのですが、それをやると読む楽しみがなくなるので、ぜひ一読して何かを感じ取ってほしいです。
この本はエッセイなど文芸書でもあり、ビジネス書とも言えます。
CEOの市川さんの生い立ちや「MORIHICO.」の今に至るまで、「MORIHICO.」の雰囲気を感じ取れます。
「MORIHICO.」ファン、コーヒー・カフェ好きには読んで損はないでしょう。
そして「MORIHICO.」を軸に、特に地方でブランドを立ち上げる時にどうすれば良いのかと言うヒントも書かれているビジネス書の側面も
「MORIHICO.」がどのようなコンセプトで運営しているのか、これから何かをやりたいと言う人に向けてのメッセージも本書に綴られております。
つまらなく、小難しい説明ばかりのビジネス書を読むより、ずっと面白く為になる1冊です。
これを読んだら、何か始めたくなりウズウズするかもしれません。
はじめは「MORIHICO.」のことをもう少し知れたらいいな程度で読み始めたのですが、予想以上に収穫の多い本でした。